覚えておきたい歯の常識
虫歯の菌は母親から感染
成人した大人のほとんどは、個人差があるものの虫歯の原因となるミュータンス菌を持っていますが、生まれたばかりの赤ん坊にはこの菌がありません。つまり、もしもそのままの状態で大人になれば、どんなに甘い物を食べても虫歯になることはないのです。しかし、生後12〜24ヶ月の間に、多くの場合はミュータンス菌に感染してしまうようです。その原因となるのが、両親。実はミュータンス菌は味見をした食事を与える、スプーンを使い回す、子供にキスをするといった行為を繰り返すことで、徐々に子供へと感染するのです。そのため、ミュータンス菌が少ない(虫歯が少ない)両親を持つ子供は、虫歯になりにくいといわれています。また、元々ミュータンス菌が多い両親でも、この時期に薬用の歯磨き粉などを使用して口腔内を清潔に保てば、子供に菌が感染するのを抑えることが可能です。可愛い子が虫歯にならないためには、親の注意が大切なのです。
キシリトールは虫歯予防に効果的!?
キシリトールはキシロースから合成される天然甘味料で、糖アルコールの一種です。以前からキシリトールは歯の再石灰化を促し、虫歯の予防に効果的といわれてきました。しかし、実際のところその効果は実証されておらず、疑問視されているのが実情です。また、キシリトール入りのガムをかみ続けるとミュータンス菌を減らす効果があるという報告もありますが、これもはっきりとした結果は示されておらず、キシリトールが本当に虫歯予防に効果があるのかは、現時点ではなんともいうことができないのです。ただ、キシリトールは口腔内で分解されても虫歯の原因となる酸を出さないため、虫歯になりづらい甘味料ということは確かなようです。また、キシリトールは過剰に摂取すると下痢を起こす作用があることでも知られています。
80才まで自分の歯を20本残す8020運動
8020(ハチマルニイマル)運動とは80才まで自分の歯を20本以上残すことで、楽しい老後を送ろうという運動です。これは昭和63年に愛知県で始まった運動で、平成4年には厚生省により本格的に運動が取り上げられ、全国へと広がりました。
人の歯は20本残っていればほとんどの食品を食べることができるといわれていますが、2005年度の調査では80才での平均残存歯数は約10本と、多くの人達がインプラントや入れ歯などの器具に頼って食事をしているのが現状です。しかし、それでも8020運動が全国へ広がった当初は、平均残存歯数が約8本だったので、わずか数年で大きく向上したといえます。この調子で歯の健康に関心が集まれば、将来的にはほとんどの人が一生涯自分の歯で、食事を楽しめる日がくるかもしれません。
